2015/06/18

eternal force 解体新書

実はCytusというゲームの仕事を請ける事になった理由の一つに「Mozarc」というゲームがありまして、
私ことswitchworksはこのMozarcというゲームに3曲ほど楽曲提供しております。
それぞれ「defense mode」「nocturnal type」「eternal force」という曲で、
特にこのnocturnal typeは後にCytusでもリリースされたので御存知の方もおられるかもしれません。

ところで私「割と手が早い」事で有名で、いえ別にスケベ一発とかそういう話じゃなくて、
商業音屋として「コストパフォーマンスが良い」と言われております。
では「どれくらいの速度で楽曲を作るのか」或いは「実はどれだけ手抜きをしているのか」というのを
赤裸々に公開してみようか、という次第です。
(ちなみに記事のタイトルは私の敬愛する久保田修氏の「Presto解体新書」に倣いました)

というわけでこれが初版のeternal forceになります。
……ところでMozarcというゲームでは「ジャンル名もこちらで指定して構わない」という音ゲーマーなら垂涎モノの契約内容であった為、
nocturnal typeは普通にtranceでしたがdefense modeを「hattendam techno」と指定したらマジでそのまま使われたようです。衝撃的ですが商業ベースでは世界初ではないでしょうか。たぶん。
で話を戻しますとこのeternal forceですが、初版の時点では「(climax core)multifractal」と書かれています。……うわぁ……
二つテーマがありまして「指示されてないのにボス曲になってみたい」「中二病感をプッシュしていきたい」というそういう曲でした。(その点でもこの曲名はダメ)
ボス的にやはり速いBPMを、という事で「速いBPMできちんと音楽になっている事」を中心に脳内で組み立ててから、ここまで3時間ほどで打ち込んでいます

その初版の「メロ/ギター/ベースのみ」にしてみました。
こうするといかにギター(特にコードの奴)がやっつけで適当で全然ギターしてないかが分かります。

初版の「ギター以外」です。あのダサいギターに比べると割とマシです。
ただバラしてみると「案外どこもかしこも手抜きだな」と分かります。(※分かる人には最後まで分かる)

まぁとにかくギターが酷過ぎるのと、この曲において割とギターが重要な位置を占めてしまったので
検討に検討を重ね相談した結果ぶらはさんにお願いする事になりました。結果としては大成功でした。

完成版です(出すんかい!)
今聴くとだいぶミキシングが酷いのですが、まぁ初版と比べて頂くとあちこちの迫力とかが違うのが
分かって頂けるといいなぁ。いいなぁ。
あと実はドラム、特にキックあたりが難易度を重視して異常なまでに変えてあります。
恐らくこの最終版までのトータル作業時間が9-10時間くらいかと思います。

そんなわけで(?)3時間くらいである程度全体像を作り切ってしまうのが私の作曲スタイルです。
モチベーションが途中で急激に落ちやすい性格なもので、それを保つというか持ち上げる為に「ある程度聴ける」を早めに目指しちゃうんですね。メンタル弱すぎ。
ただ手馴れてくるとこれくらいの段階までは一気に書けるんですよ、というお話でした。参考にならんなこりゃ。
eternal forceが気に入ってくれた方はiTunesとかbandcampとかでフルバージョンを買ってくれると嬉しいです。ほんのりお小遣いになります。