序盤だいぶアレな話ではありますが私にとっては割と日常茶飯事なお話です。
Deemoという音ゲーに提供したLegacyという楽曲が世界中で一定の評価を頂いているようで恐縮しきりです。
というのもこの曲は「どうせ君らこんなんで泣くんだろ?ん?」みたいないわば「泣き系を小馬鹿にしたような態度」で作っていた面がある為、「最高です」「泣いた」とか言われる度に「デスヨネー」と心の中で何度も唱えていました。
……これは決して悪意による物という話ではなく、私が常日頃から意識している「狙って行う偉業よりも、自然体に出てくる物のほうが更に凄いはずだ」というテーマを体現してくれたからに他なりません。
私自身もfeelを始めとしたいわば「癒し系音楽ブーム」近辺の音楽はかなりの数聴いていて、もう今そういう発注が来ようもんなら「まーた癒し系」とか小馬鹿にしながら作曲するかと思います。
言葉にするのが難しいのですが、すぐに目障りになるような「あざとい」にならずに「結果あざといなぁ」というあたりを狙いたかった、という事です。これは難しい事だと思います。
本題へ。
このLegacyという楽曲、実は連作のつもりで、ピアノ3部作の2作目、という位置付け(……のつもり)でした。
あげく3作目に至ってはほとんど脳内にも空っぽなので連作もクソもあったもんじゃないのですが、
実は最初の曲は大枠は完成していて、
昔ネットラジオめいた事をやっていた頃に何度か流した事があったのと、
とある先輩の結婚式で私自身がピアノで生演奏させて頂きました。
これがその曲「antique」です。
antiqueとLegacyで描こうとしたテーマは実はほとんど違いがありません。
違うのは「視点」です。
……なのでもし私がきちんと3曲目を書いたとしたら、それが一番重たくて暗い曲になるだろうな、とずっと意識していました。
曲名すら浮かんでないんですけどね。
antiqueは「とても大事な/大事にしてきた物」という曲です。……のつもりです。
私にとってもとても大事な曲になっているので、いつか別の形でお目見えするはずです。
Legacyの更に拡大された物も準備中ですので気長にお待ち下さい。気長にね。