2023/10/22

DARUMA Vento Conductor T5000というイヤホンのモニターに当選したのでレビューするしかない

ダルマオーディオさんのVento Conductor T5000というイヤホンのモニターに当選しました。
無論自分自身でも試したのですが、
「是非御友人にもモニター協力頂ければ」との事だったので5名ほどイヤホン界隈の友人をお呼びしてレビューにご協力頂きました。

switchworksさんの感想

明るい。やたらと明るい。
いわゆる楽しいイヤホンを目指した音だと思うんですが、割とこういう音を目指してるイヤホンだと「ひぃぃぃ高域が刺さるゥゥゥゥ」ってなりがちな私からすると「明るい、されど刺さらない」という奇跡の逸品でした。
箱出しでもうすぐに分かる「あ、良いイヤホンだ」という印象。
最近$100~$300あたりが魑魅魍魎だらけでイヤホンってこわいななんて思っていたのですが、
その中でも全然安心して推せる子です。
明るいのでイマドキなポップミュージックやEDM、テクノとかにはすぐ合いますしメタルとかにも適合でしたが、
Jazzとかクラシックにはまたちょっと違ってくるかも。このあたりは好み次第かもしれませんが……
  • 真面目な子ではありません。そういうの好きな方はダッシュで逃げて下さい。
  • 1DDなのにむしろハイブリッドみたいなバランス感を感じるイヤホンです。そういうの好きな人には良さそう。
  • やたらと明るい印象なので「いや、私は落ち着いた音のほうが」という方も向いてないかもしれません。
  • ここまで読めてしまった貴方はおめでとうございます。良い子ですよ。

switchworksさんのお友達の感想

  • 話に聞いていたより高域は籠もっていると思う。複数のモニター志願者が明るいと評価していたがよく分からなくなった。
  • もっと派手にしてくれて良かったと思う。
  • T800の頃と似たダルマらしさを感じる。良し悪しはさておき。
  • え、これ1DDなの!?もう俺分かんないよ!

結論

人の好みも評価も千差万別あって分かんないですね😵私は本気で良い子だと思うんですよ
出来たら試聴出来る機会を増やせればより良さそうではあるのですが……
「もっと派手にしてくれて良かった」には若干同意出来る所もあるのですが、反面また「ひぃぃぃ高域がぁぁぁ」てなるリスクを兼ねているので個人的には難しい所です。
私は推しですよ!

あ、ダルマさんはイヤピの在庫も復活してくれると嬉しいんだけどナ。好きな子とても多かったです。

2023/09/10

KZ Krilaというイヤホンを特別価格で御提供頂いたので比較レビューするしかない

実はswitchworksさんはイヤホンを100本以上所有している変態です。

それはさておき、中華イヤホン界における神羅カンパニー的存在の KZ ACOUSTICSさんから「厳格な比較レビューしてくれるならほぼ無償で提供してやるぜ」みたいなキャンペーンが行われていたのでちゃっかりお願いして無事届いてしまいました。

KZ Krilaというこのイヤホンは「No Rivals under $1000」という超危険な文句で登場した恐ろしそうな子で、とはいってもKZさんは過去にも「Terminator」とかの恐ろしそうな売り文句が何度か登場しているので「うんうん」て生暖かく見守る気持ちだったのですが、
とにかく$1000以下敵無しはある意味面白い言い分だと思うので「よーしうちにあるJVCのこわい子とか英国の高額イヤホンとかと比較しちゃうぞー」と悪い心が。


先に結論

買ったほうがいいよ。本当だよ。
だってAmazonで4千円しないよ。

とりあえず開封して最初に思ったのは「うん、KZの香り」。いつもの独特の機械臭。
あとシェルのずっしりした重さが分かりますね。
KZ/CCA系の中でも特に「良い金属では?」という印象だったので、これがフェイスプレートのみならず全金属シェルだったら「買え。」てレビュー出来たのに。フルメタルシェルイヤホン作って下さいお願いします

初期イヤーピースがフォームタイプなのは少し驚きました。
私はフォームイヤピ肯定派なので勝手に「命拾いしたな!」と思いました。(?)

スイッチがいっぱい。
説明書にスイッチの説明が無い……ような……
標準状態の1111で低域ドカ盛り/高域暴れ抑えのようです。1110で「高域もやっちゃって」。
個人的にはKZに求めている音は1111(或いは1110)の状態だと思うので、以下の評価は基本的に1111にて行いました。

さて条件になっている項目別に比較評価していきますね。
KZさんに指示されたモデルを中心に幾つかの推しイヤホンと比較していきます。(これらを全部所有している時点で……)

・Appearance Comparison(外観)

金属フェイスプレートの時点で加点しますが、KZの中でもかなり好きなほう。
サイズ感もちょうど良いので、気にする点があるとしたら「スイッチがいっぱい」の部分だと思います。

vs 7hz Timeless / Letshuoer S12 / DUNU Titan S

結局「鏡面仕上げが良いのかマット仕上げが良いのか」という表面加工の話になりそう。
金属の品質は悪くなさそうなので、もう後は好みだと思うんですが、
個人的には「Krilaのシェルはアンチ鏡面派の私を満足させる程度の出来で、しかし今のKZさんのマット仕上げなイヤホンも見てみたい」と思わせるものでした。

・Sound Tuning Comparison(チューニング)

長年KZが追い求めてきたパワー系の一つの極地ではないかな?と思えます。
とてもしっかりした低音、そしてキレキレだけど刺さらない高域
特に高域刺さりやすい私としては「刺さらない!」だけでKrilaに20点くらい加点しそう。

ただし手元の低域確認用Sweep音にて「サブベース帯のかなり下のほう」に限界を感じました。
もしここがきちんと出せていたら全力で褒めちぎっていたのですが……とはいえここが出せるイヤホンは高額でもなかなか無いので致し方ないかもしれません。

実はこのバランスASMRとかにも向いてますよ……素晴らしいものです……

vs 7hz Legato

Legatoのほうが低域全体としては強そう。
ただしKrilaのほうがサブベース強いような気がします。
どちらを推すの?と言われると「濁りにくい」という理由でKrilaになりそう。
サブベースが強くてその上の低域が程々だとキレが良くなるんですよ。オススメのバランスです。

・Price Comparison(価格)

圧倒的。あまりに圧倒的にお買い得。
今回比較している中で最も安価になるTitan Sあたりでもかろうじて$100切れるけどみたいな世界で、
為替の分が悪い昨今では1万をなかなか切れないという事なので、
お小遣い程度で買えるKZ安価帯のふりをしたKrilaはモンスター」だと思います。
ついにZST/ZSTXみたいなKZの入門機が入れ替わる/ここまでレベル上がるのかと感慨深い気持ちであります。

・Functional/Features Differences Comparison(機能/特徴)

スイッチの良し悪しの評価が大変難しいです。
1111がKZにおける大正義に思えますし、0000にすると確かに低域はほんの少し良心を取り戻したようでいてその正装の中に筋肉を隠しきれていません。
個人的には1111セッティングでスイッチ無しでも良かったと思えるほどですが、「イジれる事によるデメリット」なんて価格面(……かビジュアル?)以外あまり無いと思うので
特段悪い事は無いです。はい。ヨシ!

ただし付属ケーブルが良くも悪くも「価格帯なりだな」と思ってしまいました。
実際にケーブルを変えてみる事でよりKrilaのポテンシャルを引き出す事が出来たので、
もう付属ケーブルはXINHSさんとかにOEM提供お願いしたりするとかどうでしょう。駄目ですか。

・Recent Bestselling Models(最近のベストセラー)

最近のベストセラーとして今回チョイスした(された?)のは以下3機種。
・7hz Timeless
・Letshuoer S12
・DUNU Titan S

これらと比較するとKrilaは圧倒的に「楽しい音に全力振り切ったイヤホン」です。
モニターサウンドが欲しいのであればTitan Sを、
高解像感とクラシック/ジャズ向きなまったりみが欲しければTimelessを、
ド低音とカリカリ感が欲しければS12でごく簡単にゴールを得られますが、
問題はKrilaがこれらと比較して「圧倒的に安価」であり「十二分に楽しいホン」であるという事です。
少なくとも現時点で「$80~$100あたりと比較検討出来るイヤホン」と評しておきます。

そして勝手に追加しておきますが……

・vs $1000

……と言ってもそこまで高額なイヤホンを所有していませんでした😂
しかしそれでは悔しいので「私が決定打だと思っているイヤホン」との比較を記載しておきます。
(なお最近では圧倒的にTitan S / Rinkoが一軍化しています)

vs JVC HA-FDX1

モニターとしてしばらくの間愛用していました。Dropにて$125~$200あたりだった気がします。(元モデルになっているFD01なら2~3万くらい?)
説得力の高いイヤホンで一つのゴールだと認識していますが、反面Titan Sなどと近い「真面目な子」なので
「聴き用なら楽しい音で良いな」という観点でKrilaを選んで良いと思いました。
さすがにFDX1に解像感勝ってるとかは言えないです……が
ジャンルが違う、用途が違う、目的が違う。何ら問題になりません。

vs IMR Acroustics PBOne(2023)

$700くらい。(現在在庫無し)
私はこのイヤホンに勝るイヤホンを今のところほぼ知りません。
低域から高域まで、或いは解像感、或いはサウンドステージ、何ならカスタマイズ性に至るまでの頂点です。
ある意味「KZ Krilaに正しくほぼ全ての面で上回れるイヤホン」だと思います。
ただし「欲しくても入手出来ない」「半年以上発送されない」などといったイヤホンを人に推すのは人の道としてどうなんだと思うので
やっぱり「AliでもAmazonでも気軽に購入可能なKZ Krilaをとっとと買う」。これ。

つまり「$1000はやっぱりちょっと言い過ぎたか?」と思いつつも「$100出して流行りのモデルを購入する前にKrilaを所有してみても良いのでは」と本気で思えます。

総評

やっぱり買ったほうがいいよ。本当だよ。

3000円ちょいでこんな音が手に入る。中華イヤホンの楽しさの真髄みたいな子だと思います。
素晴らしい体験をありがとうKZ。もっとこの路線でいって下さい。ZAX/ZAS以来御無沙汰してたけどまた買うから

2020/02/26

Sentimental Journeyが出来るまで

拙作「Sentimental Journey」が出来るまでを紹介します。
この楽曲は割と計画的に制作されたので、
手順を間違えなければ何度でもこういう楽曲作れるんじゃないか、という気がしています。

テーマ/ジャンル/キーなどの概要決め

打ち合わせ当初「Nocturnal Typeいいっすよね、とても大事な曲っす」て言ってもらえたのは嬉しかったのですが、
聞き及んでいる限りNocturnal TypeもChaotic DriveもMegaeraもそれぞれ人気だそうで
(@益@.:;)ノシ ガガンボー!!!ガガンボー!!!
て思ってたけどとりあえず「どれもこれも速い曲だから、きっと速ければいいんだと思う」という事でBPM速めに決定。
※ いつもジャンルとかそういうのはなんか適当だと思う
この頃ちょうど彼方のアストラという漫画を毎日熟読していて「宇宙ヤバイ!」て連呼してたので、テーマは宇宙に。
「楽曲を作る時はね、誰にも邪魔されず 
  自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ 
   独りで静かで豊かで・・・」 
とかなんとか言いながら脳内に適当に心象風景みたいなのを作っちゃうのがコツです。

キーに関してはかなり経験則がモノを言うのですが、
CからBの全12種類のキーに幾つかのコードの組み合わせで「○○っぽい」みたいなのがあるんですよ。これは平均律による物だと解釈しているのですが、
私が思うにCmとかE♭mとかGmとか宇宙っぽいのは結構いっぱいあるはず。
ただ、例えばCmだと「ストイックでテクノな宇宙」を感じるし、
Gmだとなんか「オーラスな宇宙」を感じないでもない。
今回はE♭mで「ジュブナイルで英雄譚な宇宙」を目指しました。
このキーについてはspaceworksというアルバムに収録されている
完全版でもう一悶着あり、CmとE♭m両サイドからの描写になっています。買え。

とっととサビを作ってみる

サビが良い曲は大体良いんだよ(暴論)
以前の曲のフレーズをなんて遊びは後から幾らでも出来るので、
「音ゲーらしく宇宙」なサビをとっとと構築。5-10分くらい。30分くらいはかけても良いかも。
最近よくこういうサビの部分だけKORG Gadgetでメモってあったりします。Dusk2あたりから。
ほんのりNocturnal Typeを彷彿としながら高速四分打ちとそれなりにマッチしてるサビが出来たのでこれを後ろのほうの小節に逃ししばらく寝かせます。
※ 作曲も結構寝かしが大事です

キャッチーなイントロを作る

イントロが良い曲は大体良いんだよ(暴論)
サビが固まっているならイントロでそのフレーズを引用しても良いし、
逆にメロディックだとかテーマ性なんてのを全部捨てたイントロでも良いと思うんです。
今回は宇宙っぽさ優先で半分以上テクスチャに頼りました。
ラッパの打ち込みは一瞬で適当にやったので、集めたテクスチャの配置の創意工夫に10-15分くらいかけてると思います。

イントロからサビまでが繋がらない

大体衝動的な作曲でない場合こうなります。残念過ぎる。
とりあえず過去の曲のフレーズコピペしてなんとなくシンセアルペジオ回して、
「いわゆるAメロ」ぽいのを構築する作業です。苦手だなぁ。
せっかくなので宇宙っぽさ出るようなリバーブし過ぎのピアノなんかもここで登場。
なおAメロは苦手なのですがこの後Bメロは「サビに持っていく為に押さえつける」等、曲全体の流れとして重要になってくるので
Bメロでやりたい事をAメロでやらない事」は割と重要だと思います。

Bメロからサビまでが繋がらない

(´・ω・`) ムシャムシャしてやった 今は反芻している

サビで終わってしまう

半分以上血と汗となみだと挫折で出来ている事がよく分かりましたね。
イントロ上手でアウトロ下手くそかとよく揶揄されます。

一晩二晩寝かせてから試聴、修正

実はAメロ完全に四分打ちだったのですが、なんだか冗長的でクソつまんねえ感じがしたので
一旦キック抜いた上で再構築。ここは劇的に良くなりました。
客観的視点って大事ですよね。寝かせましょう。

各パート音色の見直し、きちんとしたミキシング

きちんとしたって私ミキシングあまり得意じゃないのですが、
とにかく楽曲構成と一緒で「ここ聴かせたい」を強調して「ここはどうでもええねん」を引っ込める。
Bメロの音はかなり綿密に何度も作りなおし、
ワブルベースとキックとスネアはわざわざKORG Gadgetで素材作りを行いました。

リテイク覚悟でとりあえず送ってみる

大昔エスプガルーダというゲームでなんか1曲で7回くらい没曲出した事あった気がするので
とにかく当たって砕けろ精神で送りつけた所、即OKが出ちゃったもんで
ガラスハートのエログラサン的にはむしろ震えて過ごしましたとさ。

ね、簡単でしょう?

サビとイントロさえ固めておけば後はなんか出来てるみたいな感じになります。
あと楽曲全体での抑揚だの構成だのは割と重要で、
佐村河内守さんの指示書にもそういうの書かれてたから多分大事です。
「全然語ってないテクニックが山ほどあるだろ!」とお叱りを受けそうですが、
そういったいわゆる細かい小手先なテクニックは常日頃から色々試しておこう、というのが私の持論ですので
過去の楽曲と同じ手法ばっかりじゃないか、とかも褒め言葉として受け止めていきたい。

これがあればセンチでメントなジャーニーが出来るよ!

無料/すぐ入れろ

Cakewalk
Synth1
SWORD EDGE
KOMPLETE START

およそ買っておいて損はしない/買え

KONTAKT
FM8

買っても悪くない

RAZOR
Stutter Edit

spaceworks

spaceworks ライナーノーツ


1. return of the greatest conflict

さよならスイッチさん収録の the greatest conflict という曲の完成直後から取り掛かっていた楽曲でした。1年以上寝かしてた形に。
この頃はアルバムタイトル/コンセプト共に rebirthworks だったので「垢抜けたい」という想いが詰まった楽曲です。

2. sentimental journey(from CytusII)

この曲の為のアルバムになりました。
CytusIIへの納品時は「こんな曲で大丈夫かな?」という思いが強かったのですが、
このフルバージョンが脳内で固まった時にはちょっとドヤ顔してました。
基本的なコンセプトはロケットの発射-旅立ちから様々なシーンを経て墜落へ、みたいなそういう感じです。
彼方のアストラやDr.STONEといった最近流行りの漫画/アニメに多大に影響を受けた作品です。

3. judex

1曲目と共に数年間封印されていた楽曲でした。原曲はさよならスイッチさん収録の requiem になります。
1曲目がだいぶ明るくなったので、対称的に地獄のような曲を書いておきたい、と思ってこうなりました。
でも最終的にイメージしていたのはMinecraftのネザーだと思います。

4. analog dream works

やっと完成出来たという思いでいっぱいです。15年くらいかかってしまった。
特にこのスネアの音を長年求めていたのと、やっぱりピアノ無いと駄目ですね。なんか。
この曲の派生曲が2曲ほどあってそれも同梱しようとしていたのですがなんかダサさが抜けきらずどっちもお蔵入りになりました。残念過ぎる。技量不足でした。

5. space junk

テーマが宇宙になったのでどうしても入れたくなって古い曲を作り直しました。
割と満足です。
いわゆるスペースデブリって奴だと思います。

6. interstellar

ここまでに詰め込みきれなかった宇宙旅行xテクノをぶちこみ続けたら
なんかどこに着陸したいのか分からない曲になりました。

7. asteres aplanis

「恒星」だそうです。
アルバム全体の構成としてどうしても「ラスボスが欲しいな」と思って急遽書き下ろした新曲だったんですが、
結果的にsentimental journeyにも劣らない大好きな曲になりました。
途中から後ろで鳴っているスペイシーなパッドは生StringsとSynthStringsを同時に鳴らすというゲテモノです。
この曲だけ時間切れ感があったので、もしかしたらきちんと作り直すかもしれません。

8. on my way home

「ラスボスがいるならエピローグも要るだろ」とこちらも急遽書き下ろした曲です。
多分今後もそういう構成でやると思います。
曲名は敬愛するenyaの名曲より拝借、テーマは「帰還」。
この曲も彼方のアストラやDr.STONEの影響を受けていると思います。
或いは初代SmashBrosのクリア後のピアノ曲。(分かる方いるのかなぁ……)



……と色々書いたんだけど実は作曲環境がしばらく壊れていたせいで
ほぼ1週間で全曲書いたんだ。嘘みたいだね。
「作れないフラストレーション」からの一気に作業というのも、決して悪くない結果を生み出すのかな、という意欲的なアルバムになりました。
気が変わらなければspaceworks2もやりたいです。宇宙ヤバイ。

2019/07/25

rest in peace

無事各種配信も始まりましたので
「rest in peace」についてのライナーノーツ代わりを。
ちなみに以前軽く説明しているのですが15-18歳頃の作品群になります。
全部音楽ツクール(musicmagic)にて作成されています。
midで残ってたのを何とかかんとかしましたがやっぱり厳しい所ばかりです。
大半がJRPG、残りがノベルADV用として作成されました。
誰だエロゲーっぽいつったの

01. rain of sadness

メインテーマ的楽曲にマイナー調の悲しいの欲しいな、と思って
かなり若い頃に作った曲だと記憶しています。
平気な顔でルートキーに戻ってくるアグレッシヴさは好きですが
最終的にグダりながらルートキーに戻そうと努力しているあたりが
20年経っても変わっていない気がして残念です。
あとピアノ十数年やってたって割に全然ピアノ曲じゃないのも残念。

02. town of grace

のどかな街のテーマ曲を欲したのは完全にFF3/FF5/FF6等の影響によるものです。
(……というか大半が植松伸夫氏に影響されているわけですが)
あと途中から急に厳かな感じのコードに変化するのは中学生時代にハマりこんでいた「ルドラの秘宝」というゲームの音楽の影響だと思います。
笹井隆司氏も大好きな作曲家の一人です。

03. town abandoned

廃墟ってる街のテーマを書きたくなったのも完全にFF6の影響です。

04. grief of messiah

「ヒロインは救世主呼ばわりされてて何かと心を痛めていくと良いよな」という
半ば性癖めいた妄想も「ルドラの秘宝」による影響です。
(完全にそのままじゃないか……)
途中途中で「なんだこの駄作」と思いつつ「あれ、悪くないぞこの曲」なんて思ったりしました。

05. town harvest

このアルバムの中で最も古い曲だと思います。ほとんど記憶がありません。
ただ影響されたゲームがメガCD版の「LUNAR ザ・シルバースター」であるという事はしっかり記憶しています。
つまりLUNARの街の曲が素晴らしいっていう話なんですが、サターン版以降の移植版では全面的に楽曲が差し替えられていて
現在これを聴くのは若干困難かもしれません。残念です。
岩垂徳行先生には後にグランディアでも「うっわすげえ!」と思わされております。凄いんです。

06. music on the street

これも全然覚えてないんだよなぁ……
多分ゲームのお仕事とかでなく私の個人アルバムとしては初めて「アップストロークだのダウンストロークだの意識したギター」を打ち込んでみました。
そこだけ音を良くしても楽曲はさして良くならないのが悩みどころです。

07. school days morning

学園ノベルADVの「日常パート」として作成。
ダサさが半端無かったんだけどいっそダサいままにしたかったので
敢えてSound Canvas VAでSC-88の「パスゥ」ていうスネアを鳴らしました。ある意味満足です。
……いやキックもスネアもあるのにハットから上何もなくて本当に頭抱えたんですけどね……脚色しないのも一つの方法でしょう。

08. school days afternoon

学園ノベルADVの「事件発生後パート」として作成。
なんでこっちはちゃんとハットとか入ってるんだよっダンダンッ
後ろのアルペジオをそのままにマイナーな曲を、というコンセプトだけじゃないかな。多分そうです。

09. lost technology

これも全然覚えてないんです……覚えてないから曲名でっち上げるのに一番苦労しました……
何をしたかったのかもさっぱり分からないのですが
Sound Canvas VAによる808ドラムにガムランぽい音がなんだかマッチしてくれたので
とりあえず満足です。

10. music in the midnight

これもかなり古いです。
何の変哲も無い曲ですが、
そういうの最近書いた覚えが無いのである意味新鮮です。無難。
全体の雰囲気も悪くはない……はず。

11. impatience

ファイル名が焦燥ってなってたんでこうなりました。
FF7と、あと多分ワンダープロジェクトJ2に影響されていると思います。
当時の音源でないとバランスめちゃくちゃになって、結構時間ばかり取られました。

12. castle of the end

ラスボスのいるラストダンジョンとかってあるよね。   あるよね?
ドラムどうしちゃったのと思わないではないけど、
全体としての雰囲気は今でも好きなほうです。

13. el olam

問題作。
el olamという言葉は割と聞き覚え無さそうですが
「エル・シャダイ」と言い換えると途端にゲームファンには何かしら思い出される物がありそうです。
ラスボスは神様だといいよねっていう思想は完全に女神転生シリーズの影響です。
(ちなみに私は西谷史先生のファンです)
さすがに当時からこんなブレイクビーツが入っていたわけではないのですが
General Midiのドラムの割にはバタバタとした忙しいドラムが入っていて、
「聴感上は大体似ている」感じでした。

他の曲のテーマ混ぜこぜ曲だったので原曲を入れるべきだったのですが
そっちはもう本当に目も当てられなかったのでお察しください。

  bonus track

14. noctimental journey

sentimental journeyはnocturnal typeの続編として作られたので
これは当然の帰結ですね。Cytus1+2みたいな豪華版です。
本当はnocturnal typeの元もあったので3曲メドレーにしたかったのですが
単純に他13曲で時間を食ってしまって、なんというか間に合いませんでした。


というわけで黒歴史をちょっとだけマシにして世に出す禊が終わりましたので
次回spaceworksは完全新譜となる予定です。お楽しみに。

2019/02/05

Sentimental Journeyと「彼方のアストラ」

あああのんびりしてたら書くタイミング逃した感が……でも書いておきますね。

Cytus II 2.0 Ivyの為に楽曲が欲しい、とオファーを受けた際、
割と楽曲に対する裁量は私にあったんですね。
当初から「強いファンサービスを」「switchworksらしさを」という事は決めていたのですが、
いかんせん楽曲自体のテーマみたいな物は漠然としていました。

そんな頃にちょうど読了(及び何度も読み返し……)していたのが篠原健太先生の「彼方のアストラ」という漫画でした。全5巻。

少し話がズレますが、私そこそこのスターウォーズファンなんですよ。
あと一応初期スタートレックにわかとか。
かの大作から長い年月が経った今、「宇宙」とか「SF」というテーマはもはや量産により陳腐化してしまったかな、と思い込んでいたのです。そう、思い込み。

「彼方のアストラ」は、そんな私に「SFってカッコ良いんだ」という事を今一度教えてくれた傑作でした。
ミステリだからとか伏線が良いとかギャグが面白いとかそういう事以上に、
一貫して「宇宙」「SF」「冒険」といったテーマを描ききった、そういう傑作だと思います。

こうして私は今一度「宇宙ヤバイ」を痛感し、いてもたってもいられず脳内に浮かんだ彼方のアストラの映像をそのままに楽曲を書き殴ったのです。
そう、Sentimental Journeyという楽曲はもはや「彼方のアストラ」を私なりに具現化しただけの作品でした。(だからこんなタイトルだったんですね)
イントロのピアノエフェクトは完全に人工ワームホールを意識しているし、サビから意図的に墜落シーンを彷彿とさせようとしています。

本当はここまでの話を直接篠原健太先生にファンレターとしてお届けすべきでは、なんて何度も悩んだりしたのですが、とりあえずここに書き記しておきます。
篠原健太先生、素晴らしい作品をありがとうございます。

……で「とっととアニメ化しろよぅ」って気持ちで書いていたりしたので、アニメ化決定という事でおめでとうございます。良かった良かった。

まぁとにかく、5巻全部買ってSentimental Journey聴きながら読んどけって話ですよ。

ところでSentimental Journeyという曲がほぼ完パケした後に「TheFatRat」なる天才アーティストを知りまして、
TheFatRatのとある楽曲と出会った結果「やっぱり宇宙ヤバイ、墓の下で寝てる場合じゃねぇ」と思い立った結果
「Amen -> R.I.P. -> rebirthworks」という連作になる予定だったのですが最後の物をspaceworksと改題した次第です。rebirthworks、もう1年以上制作してるんですけどね。
勿論Sentimental Journeyの更に長い物など収録予定ですが、そのうちTheFatRatについても書けたら書きたいです。

2019/01/26

Cytus II 2.0リリースに伴うSentimental Journeyの四方山話とか音源とか

お待たせ。
何年振りだっけ?……新曲だよ。

http://huangh.tumblr.com/post/182051972504/song-illustration-for-cytus-ii-20-2019

Cytus II 2.0の為の完全書き下ろし新曲です。でもこういう仕事頂けるの本当に嬉しいですね。
私はいつも自分の楽曲をうまく自己評価出来ていないのでよく分からないのですが、
どうにも中の方から「Nocturnal Typeはとても重要な楽曲です」と仰って頂いたので、
まずはNocturnal Type IIを作らなければと、後は2019年の新譜の予定をまるごと変更する方針へと覚悟キメ。
でもせっかくだからMegaeraとかChaotic Driveの旋律もぶちこんじゃいました。サービスサービス。

ところでちょっとTwitterでアンケート取ってみたヨ。
そうだよね音屋なんだから音出せって話だよね!


まぁやっつけばかりで恐縮ですが御賞味下さい。
後日この曲のテーマであるとか着想であるとかも書く気がします。

なおM3-2019春にて「rest in peace」というとても恥ずかしいアルバムをリリースする予定ですが、
M3-2019秋を予定しているその次になる「spaceworks」というアルバムにこのSentimental Journeyの長いのとか入れようと思ってます。しばし後ですがお楽しみに。
……とはいえ「R.I.P.の販促にとっとと入れとけよ」みたいなのが普通だとも思うんで、そっちはそっちで何か考える……かも。

2019/01/10

rest in peaceに先駆けた懺悔


M3-2019春にて新譜「rest in peace」をリリース予定です。
……って新譜とか書いてるんですが、かつてない新曲の無さで
これを新譜と言うのもおこがましいのですが、まぁそういうCDが出ます。

ただしほぼ全て未出曲になります。
私が未成年の頃に書いた曲のみで構成された、過去最大の黒歴史アルバムです。


ちなみにどれくらい未出かというと
・エスプガルーダの仕事より前
・Muzieというサイトに登録するよりも前
・当時個人サイトを持っていたけれどもそこでも公開していなかった
というレベルの代物です。
時期としては私が16-18歳頃、1997-2000年頃の作品群になるかと思います。

この時代の私は過激派と言えるレベルでのJRPGフェチで(今もか?)、
植松伸夫氏が好き過ぎてあのようになりたいと心の底から願っているゲームオタクでした。
(同じ時期にbeatmaniaに出会ってはいるんですけどねぇ……)
よって露骨にそういった音楽ばかりです。
本当に「テクノのテの字も知らなかった」時代の、なんだかゲーム音楽以外では使え無さそうな、というか全体的に稚拙以外の何物でも無かったです。

ただ、案外そんな時代に「まぐれ当たり」が出るものでして、
先日リリースしたAmenに含まれている「EDEN」という楽曲はこのもう少し後の時代だったりしました。
M3-2019秋にリリースを予定している新譜にもこの「rest in peace」時代の楽曲の再構築版などが含まれています。

まぁ、ふと「これを知っている人、ほとんどいなかったな」といった程度の思いつきでもあるのですが、
これも次のステップの為のだと思い、
かつてない恥部をさらけ出す覚悟に至ったわけです。

ちょっと現時点で問題はあって、
「選曲してみたら60分どころではなかった」みたいになってちょっと困ってるんですが、
M3までにやれる作業量と完成度次第でもうちょっとブラッシュアップされたら
結果60分に収まったりしないかな、くらいに思ってます。予定は未定。

おまけにこのについても大慌てで公開してる状態で、
この次のアルバムの為に色々動いているのでしばしお楽しみに。すぐ分かると思います。

2019/01/04

Amen


何かと遅くなりましたがM3-2018秋の新譜である
「Amen」についてのライナーノーツ代わりを。
iTunes他各所で配信も始まってますしね。
ここではせっかくなので原題も記載しておきます。

1. Cold Like Amen
(Cold Like Stone)
エスプガルーダ3面のために途中まで書いてボツにしたCold Like Stoneという曲があるのですが
それをAmenの為に再構築。
そもそもAmenの為のアルバムを作る上できっと避けて通れないと思っていたJazz寄りの楽曲として、見事にタイトル曲に相応しい曲になったかと思います。
ジャングルとかドラムンベースで言うところのAmenは当然激しい音なのですが、
ソースの「The Winstons - Amen Brother」からするとむしろこれが源流ではないかと。

2. Lazy Amen
(Lazy Life)
Lazy Lifeというごく個人的に気に入っているというか「なんでこんなもん作ったんだ……」みたいな面白い曲をAmen。
先のCold Like Amenで「Amen+α」というグルーブ感に味をしめていたのですが、
結果こっちのほうがより良いアプローチだったかも。
あとバグパイプを使ったの初めてな気がします。ビバKontakt。

3. Primary Amen
骨董品レベルに古い曲ですがチュートリアル曲として好評。なんやそれ。(Primary Mission)
やっつけで申し訳無いのですが結果こっちのほうが良かったんじゃねーの感が。

4. Amen Meister
(Rhythm Meister)
Meisterは滅びぬ、何度でも蘇るさ。
実際何度打ち込んでも楽しい。
Rhythm Meister 2をベースに各音色を原曲のようなシンセシンセした音で再構築。
Amenとシンセ音はきちんと出会う、という実証に。

5. Amen Dream Works
(Analog Dream Works)
ADWもあまり日の目を見ていないいわゆるボツ寄りの曲です。
当時Rhythm Meisterの続編のような位置付けで作っていたような気がします。
今回のバージョンは結構お気に入り。

6. Amenist
(Finalist)
マッチョは滅びぬ、何度でも蘇るさ。
案外元に引けを取らない程度に良いかも。
まぁ「安易に四分打ちすんな」「Amenのフィルとしての有能さ」ていうあたりでしょうが……猛省せな。

7. Damen
(Dazhan)
Amenistよりはこっちのほうがイマイチかも……。無念。安易に四分打ちすんな。

8. Aden
(EDEN)
これはもう高校時代の作品なので本当に骨董品も良い所なのですが、
原曲からしてAmen押しだったもんでどうしても入れたくなってリメイク。
……でも次のアルバムの良い伏線になった気がします。

9. Cold Like Amen(all over mix)
※ すいっちさんはちょっと気を抜くとすぐ四分打ち入れたくなっちゃうんだ。
  おまけに80年代カブレとかマジ時代遅れの男。

10. Amen for legacy
Legacyは滅びぬ、何度でも蘇るさ。
最初期の頃はあまり抑揚の無い曲だったので、ちょっと初心に立ち返ったアレンジかも。
こういうだるいの結構好きです。


近いうちにAmenで使われているAmen(音源としての)の公開か
M3-2019春新譜「rest in peace」についての続報が出せるといいな。出したい。
この後怒涛のように色々出すので……

2018/04/07

Cakewalk by BandLabのすすめ

お亡くなりになったはずのCakewalk SONARがBandLab社によって買収され、
Cakewalk by BandLabとして無料で入手出来るようになったのでみんなDTM/DAW始めようぜ、という話。
GibsonからCakewalkを取得したBandLab、SONARを復活させ、「Cakewalk by BandLab」として無償ダウンロード開始!
シンガポールのBandLab社によりCakewalk=SONARが奇跡の復活、全ユーザーへ完全無料公開!インストール方法と、いくつかの注意点

無料スゴイ?

スゴイ。機能制限が無いという点でSONAR Platinumと同等品で、
販売終了時まで6万くらいで販売していた物です。(昔は8万以上してたやろこれ……)
私のような Cakewalk ProAudio -> SONAR -> SONAR X と歴代上納してきたハードコアユーザーの総課金額はもう20万じゃきかないでしょう。
複雑な思い?いいえ。こんな素晴らしいDAWが生存確認され世に広まるのに悪い事などありません。

何が良いの?Cubaseで良くない?

DAWソフトの決め手は「自分の手に馴染むか」で良いと思います。そこまで極度な差はありません。
ただし「最もWindowsライクなUIで初心者にオススメしやすい」という点でCakewalk SONARはいまだダントツだと推奨しております。
ついにCubase/Studio Oneの最上位ユーザーとなってしまった今でもそう言えそうです。

これは何が出来ますか?何が出来ませんか?

「利用トラック数」や「利用プラグイン数」という点で他の無料DAWを圧倒します。
この点はSONAR Platinum相当という事で最強のアドバンテージだと言えます。
またStudio One登場までは内部mixの品質もそれなりに評価されていました。
Pro Channelというチャンネルビルトインエフェクト(EQとかコンプ……)や、
各種ソフトシンセもそれなりな数入っています。
TTS-1という名前になったEDIROL Hyper CanvasというGM2音源が付属していますので、
この音入ってないという事態は割と少ないと思います。
(むしろこっちの無償化のほうが腹立たしいぞ……)

SONAR Platinumと比較して入っていない物で目立つのはMelodyne(歌のピッチとかを補正出来ちゃうアレ)とかZ3TA+関連(すっごいシンセ)あたりかな。
あとピアノ音源もちと足りてない気がします。
remix目的とかだったらすぐ導入するしか無いです。もうACIDとかいらない多分。

現時点ではメニューとか英語になっちゃう問題があるのですが
以下などを参考にレジストリ弄ればすぐ治ります。
「Cakewalk by BandLab」日本語化の手順

これ「だけ」入れれば良いですか?

何をやりたいかによって追加でプラグインの導入を検討しても良いかもしれません……が
とにかく今回は無償という部分を最強のアドバンテージと捉え、
導入直後に若干弱いシンセ面だけでも強化してあげるべくSynth1ファミシンセIIあたりを今すぐ導入しましょう。
「DAWが無料になった分どっかに課金させろ」という課金勢はKONTAKTStutter Editあたりを御検討下さい。オススメです。

最後に

既存SONARユーザーはすこーし不具合とかあるみたいなんで
「待ち」か「beta特攻」か「共存」のいずれかを選んでいく感じが良いかと思います。共存可能です。

これを期に久しぶりにDAWの講座とかやりたい気持ちもあるのですがニーズが不明かな。
とはいえ長年のCakewalkユーザーという事で色々と答えられる事はあると思うので
ワタシニデンワシテクダサーイ ドゾヨロシク (c)スタイリー